和光につどう教師たちのプロフィール

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教員プロフィール


表現学部 芸術学科/教授

松枝 到 マツエダ イタル

研究分野…西洋美術史、文化史
最終学歴…早稲田大学大学院文学研究科(西洋美術史)
学位…修士号(早稲田大学、1980年3月)

和光大学リポジトリ
和光3分大学

(最終更新日:2017-03-21)

【教育活動】
・1985年4月 和光大学人文学部芸術学科に、美学・美術史担当の専任講師として着任
・1991年4月 同学部芸術学科助教授
・1995年4月 和光大学人間関係学部人間関係学科教授
・1999年4月 和光大学人文学部芸術学科教授
・2000年4月 和光大学表現学部イメージ文化学科教授
・2007年4月 同学部総合文化学科教授
・2011年4月 同学部芸術学科教授

主として美術史・文化史にかかわる基礎理論とその展開を講義している。すなわち想像力論、文化論、言語論、歴史理論がその中心であるが、さらに東西交渉史、アジア文化論へとその比重が変化している。また演習科目として博物誌、書籍編集の実習、また仏教およびイスラームの歴史にかかわる講読等をおこなっている。ゼミナールでは、文化とイメージの多様な交錯を主題とし、アジア文化を中心とした諸課題についての研究および論文・制作の指導をおこなっている。また共通教養科目においてはアジア文化史を講じている。和光大学社会文化総合研究科(大学院・修士課程)においては、東西交渉史を主題として研究指導をおこなっている。また、早稲田大学人間科学学術院において、兼任講師として一般教養科目「芸術・技術の哲学」を担当している。


【研究活動】
アジア文化の多様なアスペクトにかかわる歴史的展開および理論的な諸問題を個別具体的に追求するとともに、その理論的支柱としてどのような思索が過去・現在においておこなわれてきたのか・おこなわれているのかを探索している。その主なテーマを数えあげれば、

1)〈分類〉の思想的系譜と現代思想
古代ギリシア哲学、とりわけアリストテレスの〈分類〉の思想にはじまり、イスラーム世界におけるその展開(イブン=シーナーなど)からリンネ、メンデル、ダーウィンを経て現代にいたる「ことわけ」の系譜をたどり、ソシュール以後の現代思想を眺望しようとする試み。

2)文字の過去・現在・未来
文字の前史・発生・展開を軸に、「文字とはなにか」という問いを、聖刻文字・楔形文字・甲骨文字からインターネットに飛びかうデジタル文字へと眺め渡しつつ、イメージの理論として考察しようとする試み。

3)アジアの都市
アジアの歴史のなかに生まれたさまざまな都市――サマルカンド、イスタンブール、長安、などなど――は、その栄枯盛衰を文化・文明の消長とともに生き、そして消えていったわけだが、そうした都市の歴史と文化をつなぎあわせる試み。

その他、いずれも、アジア文化の諸相を考究している。


【国際学術交流】
1990年代から長期にわたってパキスタン調査をおこない、アレクサンドロス大王のインド遠征および玄奘三蔵のインド行に関するルート調査をおこなってきた。そのさい、パキスタンのバローチスターン大学と学術交流をおこない、現地における共同のフィールドワークの実施や、和光大学におけるバローチスターン大学の共同研究者による研究報告会、またその出版等をさまざまな補助金を得ておこなってきたが、アフガニスタンに隣接する地域であることから調査が困難となったため、現地調査をおこなうことができず、現在は資料研究にかかわって現地研究機関との連絡を取りつつ研究の持続を模索している。

また、和光大学総合文化研究所に設置された「モンゴル研究会」に所属し、モンゴル仏教、またその造形文化に関して、中国、モンゴル、台湾、ロシア、その他の諸国の大学・研究機関と常時接触を持ち、シンポジウムや論文の掲載をおこない、研究交流を深めた。

その他、各国の大学・研究機関との交流は数多く、パリ高等学術院、ラホール大学、ドイツ・インド文化研究所などとの情報交換を持続している。


【学外活動】
学外の出版社等における書籍、雑誌、テレビ、映画等の企画編集にかかわっているとともに、さまざまな講演、セミナー等をおこなっている。


【著作・論文(及び作品)】
著作…単著
1988年7月 『外のアジアへ、複数のアジアへ』思潮社
1992年2月 『密語のゆくえ』岩波書店
1996年7月 『アジア言遊記』大修館書店
2004年1月 『奪われぬ声に耳傾けて』書肆山田
2005年2月 『アジアとはなにか』大修館書店
2007年4月 『アジア文化のラビリンス』大修館書店
2017年2月 『イメージの産出』せりか書房

著作…共著
1998年10月 『NARCISSISME』書誌山田 ほか多数

編著…
1998年9月 『ヴァールブルク学派』平凡社 ほか多数

論文…
1983年3月 「エンブレムの考古学:ルネサンス象徴論覚え書き」『和光大学人文学部紀要』第18号 ほか多数

翻訳…
1980年10月、フリッツ・ザクスル『シンボルの遺産』(共訳)、せりか書房
(2005年2月、個人完訳として、ちくま学芸文庫より再刊)

ほか、論文等を含めて翻訳多数


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