和光につどう教師たちのプロフィール

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教員プロフィール


表現学部 総合文化学科/准教授

苅宿 紀子 カリヤド ノリコ

研究分野…日本語学
最終学歴…早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程
学位…博士(学術)(早稲田大学、2014年2月)


(最終更新日:2023-05-22)

【教育活動】
・2015年4月、和光大学表現学部総合文化学科に、日本語学担当の講師として着任。

・「日本語学序論1・2」では、日本語に関する基礎的な事項を体系的に解説している。音声については母音・子音の分類やアクセント、イントネーションなど、語彙については和語・漢語・外来語や類義語・対義語などを取り上げている。文法については品詞の分類や動詞の活用など、文字・表記については仮名遣いや送り仮名などを取り上げている。「日本語学」とはどのような学問であるのかを理解し、身近な言語現象について受講生が自分で客観的に考えられるようになることを目的としている。

・「日本語の文法」では、具体的な用例を取り上げて日本語文法の仕組みを解説しつつ、基礎的な文法用語を説明している。2023年度は敬語を中心とした待遇表現について考察している。「日本語の分析」では、受講生が自分でコーパスを用いて用例を集め分析する、という活動を通じて、日本語に対する理解を深められるように指導している。その他、「言語学」「ことばの理論」「日本語の歴史」「日本語の意味」「日本語の表現」を担当している。

・日本語教員養成プログラムに関連する科目「日本語教育実践研究」では、日本語授業の見学などの活動を通して、受講生が日本語教育の現状に対する理解を深められるよう指導している。

・ゼミナール「日本語のしくみを考える」では、受講生各自が興味を持つテーマについて、自分で問題設定し、論文を作成するための実践的な方法を指導している。資料選び、用例採集、分類などを自分で考えて取り組み、それをわかりやすく発表する力が身につくよう指導することを心がけている。これまでの受講生は配慮表現、比喩表現、副詞の使い分け、程度表現、接続表現、オノマトペ、類義語の使い分け、児童文学の文体、役割語、などをテーマとして卒業論文に取り組んでいる。


【研究活動】
①話し言葉における「無助詞」現象の研究
 話し言葉では「わたし、帰るね」「学校、行ってくる」「これ、あげる」のように、名詞が助詞を伴わずにハダカで現れる現象、いわゆる「無助詞」現象がしばしばみられる。この「無助詞」名詞は話し言葉において特徴的な形式である。「無助詞」名詞の使用条件、種類などの分析を通して、話し言葉のしくみを明らかにしたいと考えている。

②話し言葉における「後置」現象の研究
 話し言葉では「そう思う、ほんとに」「行ってみたいんだよね、絶対に」「楽しかったな、あれ」のように、述語より後に文の要素が置かれる「後置」現象がみられる。どのようなときに後置現象が起こるのか、なぜ文の要素を後置するのか、後置要素の機能とは何か、という考察を通し、動的な話し言葉の展開のしくみを明らかにしたいと考えている。

③話し言葉における応答表現の研究
 話し手と聞き手とがやりとりをしながら進めていく会話においては「応答」が重要な役割を果たしている。「ほんと」や「なるほど」といった応答表現を観察することにより、話し手と聞き手とがどのように情報のやりとりをしているのかを考察している。応答表現の考察から、話し言葉におけるコミュニケーションのしくみを明らかにしたいと考えている。


【学外活動】
所属学協会
・日本語学会、表現学会、日本語文法学会、社会言語科学会、計量国語学会、日本語教育学会、日本語/日本語教育研究会、
 早稲田大学日本語学会、早稲田大学国文学会、早稲田大学国語教育学会、日本語学 研究と資料の会

委員
・日本語学会 大会企画運営委員(2022年6月~)

学会発表…(近年)
・2021年2月、「雑談の後置現象からみた会話の展開」
 第156回表現学会東京例会(オンライン開催)
・2018年1月、「大学生三者の雑談における「後置発話」の形態と機能」
 第144回表現学会東京例会(共立女子大学本館)
・2017年12月、「談話における名詞後置発話―付け足す言葉のはたらき―」
 2017年度早稲田大学国文学会秋季大会(早稲田大学戸山キャンパス33号館)


【著作・論文(及び作品)】
著作…(近年)
・「談話における対称詞のいわゆる「無助詞」現象―「呼びかけ」の周辺―」
 小林賢次・小林千草編『日本語史の新視点と現代日本語』勉誠出版 (2014.3)

論文…(近年)
・「副詞としてのジジツの意味・用法―〈事実〉として示される事柄の分類を中心に―」
  早稲田大学日本語学会編『早稲田大学日本語学会設立60周年記念論文集 第2冊―言葉のはたらき』
  ひつじ書房(2021.12)【査読有り】
・「「なるほど」考―応答表現としての意味・用法―」
  日本近代語研究会編『論究日本近代語 第1集』勉誠出版(2020.3)【査読有り】
・「談話における後置現象の枠組み」
 『早稲田日本語研究』28 早稲田大学日本語学会(2019.3)【査読有り】
・「応答表現としての「本当」に関する一考察―「あ、ほんと」「ほんと」「ほんとだ」―」
 『日本語/日本語教育研究』9 日本語/日本語教育研究会(2018.9)【査読有り】
・「日本語の雑談における後置名詞の機能―なぜ名詞を付け足すのか―」
 『表現研究』107 表現学会(2018.4)【査読有り】
・「『大学生三者会話コーパス』の設計と調査方法」〔研究ノート〕
 『和光大学表現学部紀要』18 和光大学表現学部(2018.3)【査読有り】
・「談話における自称詞のいわゆる「無助詞」現象―言わなくてもわかるときに言う「わたし」の機能―」
 『表現研究』99 表現学会 (2014.4)【査読有り】
・「「無助詞」研究の現状と課題」
 『学術研究―人文科学・社会科学編―』62 早稲田大学教育・総合科学学術院(2014.3)
・「話し言葉におけるハダカ名詞のあり方とはたらき」
  博士学位申請論文(早稲田大学)(2014.2)【査読有り】

その他…(近年)
・森山卓郎(編)『あいまい・ぼんやり語辞典』東京堂出版(2022.7)
 (分担執筆、範囲「確認する」「ちょっと」「ひと」「まだ」「もう」)
・森山卓郎・渋谷勝己(編)『明解日本語学辞典』三省堂(2020.5)
 (分担執筆、範囲「口語・文語」「ジャンル(文種)」「人称」「話しことば・書きことば」)


【外部研究資金の獲得】
・科学研究費補助金(若手研究)
「後置現象からみた会話の動的展開の記述的研究」(課題番号20K13053)2020年度~2023年度、研究代表者


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