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教員プロフィール


現代人間学部 現代社会学科/准教授

馬場 淳 ババ ジュン

研究分野…社会人類学、地域研究(オセアニア、アフリカ)
最終学歴…東京都立大学大学院社会科学研究科社会人類学専攻 修了
学位…博士(社会人類学)(東京都立大学、2008年3月)

和光大学リポジトリ
和光3分大学

(最終更新日:2019-04-15)

【教育活動】
・2015年4月、和光大学現代人間学部現代社会学科に准教授として着任

現代社会学科において、主として社会人類学と地域研究に関わる講義(「比較家族論」「性の人類学」「民族と社会」「太平洋の社会と文化」「アフリカの社会と文化」)、必修科目の「プロゼミ」(1年次対象)「社会学基礎演習」(2年次対象)、「現代社会学演習」(3・4年次対象)、「卒業論文」を担当している。教育目標としては、社会人類学や地域研究の知見を通じて、先進国/自民族中心的な人間観・社会観に囚われない自由闊達な発想を備え、グローバルな視点と現場の視点の双方から現代的な問題を解決していくことのできる人材を育成することである。「現代社会学演習」では、「つながり/関係」という大テーマのもとで、「人と人の親密な関係」と「人とモノの関係」の小テーマを隔年度で展開し、テーマに対する理解を深めるとともに、①文献史資料の収集方法、②プレゼンテーションの方法、③ディスカッションのスキルといった実用的・技術的な能力を磨くことも目指している。


【研究活動】
関連する以下の三つのテーマを軸に取り組んでいる。

第一に、社会人類学者として、人間社会における家族の意味や動態を考究している。家族(広くは親族)の意味をめぐる世界の多様性だけではなく、科学技術(生殖補助医療)、国家の制度的変遷、グローバルな人口移動によって家族の意味づけが変容していく動態的プロセスに関心を持っている。また夫婦関係・親子関係・親族関係とそれを形成する結婚、性・生殖に注目し、ジェンダー研究や法社会学の知見を援用しつつ、家族「内部」のミクロな動態についても研究している。

第二は、地域研究者として、オセアニアとアフリカを対象に、グローバル化に伴う地域社会および伝統文化の動態を実証的に明らかにすることである。近年は、グローバル化の具体的な位相として、国際人権レジームに注目し、この課題に取り組んでいる。また、家族は個々の社会・文化的文脈に埋め込まれているため、この研究はケーススタディとして上記の家族研究を補完するものでもある。

第三に、フィールドワークによって得られた実証的データを用いながら、人類学の理論的課題(伝統文化論、エージェンシー論など)に取り組んでいる。

研究の成果は、日本の各学会で発表することはもちろん、平易な日本語で広く日本社会に公表することを目指している(例えば『この子は俺の未来だ』)。また英語で発表することで、海外の研究者との交流を図るとともに、調査対象社会に研究成果を還元することに努めている。


【国際学術交流】
・法社会学会国際学術大会(International conference on Law and Society)参加
口頭発表:“Alternative Justice and Village Court in Papua New Guinea” 2012年6月7日。
・国際人類学民族科学連合(International Union of Anthropological and Ethnological sciences)参加
口頭発表:“Everlasting roles of legal anthropology: From research on legal measure against domestic violence in Papua New Guinea” 2014年5月16日。



【学外活動】
・所属学会:日本文化人類学会、日本オセアニア学会、日本法社会学会、日本ジェンダー法学会
・日本オセアニア学会理事


【著作・論文(及び作品)】
著作…
・『結婚と扶養の民族誌――現代パプアニューギニアの伝統とジェンダー』彩流社、2012年2月(第12回日本オセアニア学会賞)。
・『この子は俺の未来だ――パプアニューギニア&ケニア “つながり”の文化人類学』佼成出版会、2014年7月。

論文…
・「パプアニューギニアにおける二つの“家族計画”」『南方文化』28号、2001年11月。
・「シブリングを活かすことと社会変化を生きること――パプアニューギニア・アドミラルティ諸島における婚資の寄贈をめぐって」『社会人類学年報28号』弘文堂、2002年8月。
・「妻たちのレトリカル・ワーク――パプアニューギニアにおけるジェンダーと扶養費請求訴訟」法政大学比較経済研究所・原伸子(編)『市場とジェンダー――理論・実証・文化』法政大学出版会、2005年7月。
・「想起される“振る舞い”――パプアニューギニア・クルティ社会におけるパラ・ソウエ儀礼の分析」『法社会学65号』有斐閣、2006年9月。
・“Colonialism, Gender and Socio-economic Change: A Case Study of Legal Action for Family Maintenance in Papua New Guinea.” Journal of International Economic Studies Vol.21、2007年3月。
・「南海の島の寡婦たち――パプアニューギニア・マヌス島クルティ社会の事例」椎野若菜(編)『やもめぐらし――寡婦の文化人類学』明石書店、2007年6月。
・「婚資額へのオブセッション――パプアニューギニア・マヌス島クルティ社会におけるカストム・ワークの現代的位相」『社会人類学年報33号』、2007年11月。
・「植民地主義の逆説、女たちの逆襲――パプアニューギニアにおける扶養の紛争処理とジェンダーの政治学」『アジア経済』第50巻第8号、2009年8月。
・「法文化の発明とポジショナリティ――統合と多様性の間でたゆたうパプアニューギニアを事例にして」角田猛之・石田慎一郎(編)『グローバル世界の法文化』福村出版、2009年8月。
・「ジェンダーと社会――メラネシアの伝統を生きる女性たち」吉岡政徳(監修)遠藤央ほか(編)『オセアニア学――環境と文化』京都大学学術出版会、2009年10月。 
・「パプアニューギニアの社会福祉」荻原康生・宇佐見耕一ほか(編)『世界の社会福祉年鑑2009』旬報社、2009年12月。
・「法に生きる女性たち――パプアニューギニアにおける法と権力作用」塩田光喜(編)『知の大洋へ、大洋の知へ――太平洋島嶼諸国の近代と知的ビッグバン』彩流社、2010年1月。
・「シングルだってへっちゃらよ?!――パプアニューギニア・マヌス島のシングルマザー」椎野若菜(編)『「シングル」で生きる――人類学者のフィールドから』御茶の水書房、2010年10月。 
・「パプアニューギニアにおけるオルタナティブ・ジャスティスの生成――ブーゲンヴィル紛争の修復的プロセスを事例に」石田慎一郎(編)『オルタナティブ・ジャスティス――法と正義の新たなパラダイム』大阪大学出版会、2011年4月。 
・「国際人権レジームの功罪――パプアニューギニアにおける保護命令の「誤解」をめぐって」牟田和恵・平沢安政・石田慎一郎(編)『競合するジャスティス――ローカリティ・伝統・ジェンダー』大阪大学出版会、2012年3月。
・「パプアニューギニアのシングル単位論序説――ワンピスの可能性/不可能性をめぐって」椎野若菜(編)『シングルの人類学1 境界を生きるシングルたち』人文書院、2014年3月。
・「ウソと縁――あるホームレス的存在者の虚実」椎野若菜(編)『シングルの人類学2 シングルがつなぐ縁』人文書院、2014年3月。
・“Becoming Mûûnjûri : A case study of the Council of Elders in Tigania Meru”. In Gîchere, N., S. A. Mûgambi Mwithimbû and S. Ishida (eds.) Culture in Peace and Conflict Resolution within Communities of Central Kenya. Nairobi: National Museums of Kenya. 2014年4月。
・「千葉理論における人権と文化」角田猛之ほか(編)『法文化論の展開――法主体のダイナミクス』(千葉正士先生追悼論文集)信山社、2015年5月。
・“The Making of Legal Subject in Papua New Guinea: support agents and situated learning for the modern lawsuit in Manus Province” People and Culture in Oceania Vol. 31. 2016年3月。
・「辺境の牧師たち――パプアニューギニア・マヌス島のキリスト教と伝統」大谷裕文・塩田光喜(編)『海のキリスト教――太平洋島嶼諸国における宗教と政治社会変容』明石書店、2016年7月。
・「パプアニューギニアにおける人権の認知度――マヌス島の事例」『国際地域学研究』(東洋大学国際地域学部)第20号、93-104頁、2017年3月。
・「喚起されるホモソーシャリティ――アダルトビデオの行為論、あるいは精液の社会的エージェンシー」『和光大学現代人間学部紀要』第10号、2017年3月。
・「『ずく』の継承者たち――長野県小川村における自己効力感の歴史的意義」『日本健康学会誌』第84巻第6号、203-213頁、2018年11月。
・「慣習法が息づく島――パプアニューギニア・ナウナ憲法の事例」『和光大学現代人間学部紀要』第12号、99-116頁、2019年3月。

その他…
【コラム】
・「マヌスにおける家族計画の現状とセクシュアリティ」『日本オセアニア学会Newsletter』66号、2000年3月。
・「パプアニューギニアにおける国家法の人類学序説」『日本オセアニア学会Newsletter』87号、2007年3月。 
・「現代に生きるマヌスの女性親族の霊力」河合利光(編)『家族と生命継承――文化人類学的研究の現在』時潮社、2012年5月。 
【書評】
・「GODDARD, MICHAEL Substantial Justice:An Anthropology of Village Courts in Papua New Guinea.(2009)」『社会人類学年報37号』弘文堂、2011年11月。 
・「塩田光喜『太平洋文明航海記-キャプテン・クックから米中の制海権をめぐる争いまで』(2014年4月、明石書店)」『アジ研ワールドトレンド』9月号』(No. 227)アジア経済研究所、2014年8月。 
・「田所聖志著『秩序の構造――ニューギニア山地民における人間関係の社会人類学』東京大学出版会(2014年)」『文化人類学』80巻1号、2015年6月。
【新聞・雑誌記事】
・『読売新聞』(夕刊・関西版)「世界のシングル:居候は当たり前?! パプアニューギニア」2015年10月8日。
・「特別対談 文化人類学者×AV監督――民族の最大タブーに挑む問題作? 先住民と絡む『裸の大陸』の人類学」『月刊サイゾー』2017年8月号、78-81頁。
【翻訳】
・ローレンス・ローゼン著『文化としての法――人類学・法学からの誘い』角田猛之・石田慎一郎(監訳)馬場淳ほか(共訳)、福村出版、2011年5月。
【辞典・教科書】
・山川出版社編集部(編)『世界各国便覧』「オセアニア」(14独立国、16非独立地域)山川出版社、2009年7月 
・山川出版社(新世界史教授資料・授業実践編)編集部(編)『世界史B 新世界史教授資料・授業実践編』「オセアニア」(80-81頁)、「古代のオセアニア」(86-89頁)、山川出版社、2014年3月。
【学会発表】
・「パプアニューギニアにおける植民地主義・“伝統”・ジェンダー――扶養の紛争処理をめぐって」日本ジェンダー法学会・第4回学術大会(個別報告)、於:お茶の水女子大学、2006年12月。 
・「パプアニューギニアにおける法主体の誕生――福祉事務所での対話過程と権力作用」日本オセアニア学会・第27回研究大会、於:名鉄犬山ホテル、2010年3月18日。
・「グローバル化する人権のジレンマ――パプアニューギニアのDV対策の事例から」(個別発表)2011年度日本法社会学会・学術大会、於:東京大学、2011年5月7日。
・「パプアニューギニアにおける反DV法制の成立と問題」日本文化人類学会第45回研究大会、於:法政大学、2011年6月12日。 
・「グローバル・クライシスと伝統――パプアニューギニア・マヌス州におけるパリアウ運動後継者の思索」日本文化人類学会・第51回研究大会、於:神戸大学、2017年5月28日。
・「書類と/のエージェンシー――パプアニューギニア・マヌス島における法とコミュニケーション」日本オセアニア学会・第35回研究大会、於:沖縄美ら海水族館イベントホール、2018年3月22日。
・「慣習法の成文化はなぜ進まないのか?――パプアニューギニアの事例」日本オセアニア学会・第36回研究大会、於:首都大学東京、2019年3月25日。


【外部研究資金の獲得】
・科学研究費補助金・基盤(C)「現代パプアニューギニアにおける慣習法の多元的位相に関する法人類学的研究」(課題番号:16K03238)、平成28年度~平成30年度、研究代表者。
・科学研究費補助金・平成23年度 研究成果公開促進費(学術図書)、代表者
 『結婚と扶養の民族誌――現代パプアニューギニアの伝統とジェンダー』彩流社(2012年2月刊行)


【受賞歴】
・第12回日本オセアニア学会賞(2013年3月)
 受賞作:『結婚と扶養の民族誌――現代パプアニューギニアの伝統とジェンダー』彩流社、2012年2月刊行。



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