和光につどう教師たちのプロフィール

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教員プロフィール


現代人間学部 人間科学科/教授

大橋 さつき オオハシ サツキ

研究分野…身体表現論 舞踊教育学 ムーブメント教育・療法
最終学歴…お茶の水女子大学大学院
学位…博士(学術)(お茶の水女子大学、2016年3月)

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和光3分大学

(最終更新日:2023-06-18)

【教育活動】
千葉県立国府台高等学校保健体育科専任講師、お茶の水女子大学助手を経て、
・2002年4月、和光大学人間関係学部人間発達学科に、身体表現論担当の専任講師として着任
・2007年4月、和光大学現代人間学部身体環境共生学科准教授(改組による学部学科名変更と昇格による)
・2019年4月、和光大学現代人間学部人間科学科教授(学科名変更と昇格による)

 現代人間学部人間科学科(身体環境共生学科)の専門科目としては、運動遊びを軸とした発達支援法である「ムーブメント教育・療法」に関する授業を担当している。特に大学と地域との連携を深めながら、子育て支援や障がい児支援活動として現場体験を重視した実践の場、地域の教師、保育士たちと学生が共に学び合う場を提供している。学生たち自身が「講師」として地域の公開講座や親子教室を企画運営するようになり、好評を得ている。2013年度には、これらの活動が評価され、「財団法人学生サポートセンター第 10 回『学生ボランティア団体』助成金」に採択された。
 ゼミは、「コミュニケーションする身体」や「遊びの場を共に創る」を大きなテーマに開講し、学生たちの自主企画を重んじながら展開している。卒業研究は主に、遊び、ダンス、スポーツ、身体表現などに関するテーマで指導を行っている。さらに、高校教員であった経験も活かし、中高保健体育の教職免許取得を目指す学生向けの授業として、「スポーツ方法学実習(ストレッチング&ダンス)」や「表現運動学」を担当している。
 また、共通教養課程の「身体表現とパフォーマンス」の授業では、年度末の発表会を目標に設定し、年間の指導を通じて学生たちが企画の段階から主体的にかかわり、自らの身体と向かい合い共に場を創造する過程を支援している。加えて、「クリエイティブ・ダンス」の授業では、群舞作品の創作を行い、発展的課題として、全国規模のダンスコンクール(全日本高校・大学ダンスフェスティバル in 神戸、コンクール部門)への出場に挑んだ年度もある。専門課程ではない学生を対象に一人一人の体力、表現力、技術に合わせた指導と体調管理を行いながら、自律した集団として協力できるよう支援してきた。(2004、2007、2009、2010、2015年度に入選、2008年度には「日本女子体育連盟理事長賞」と「特別賞(音響の工夫)」を受賞、2011年度には「審査員賞」を受賞、2016年度に「日本女子体育連盟理事長賞」受賞。)また、ゼミ生を中心に、学内外で「和光大学 Dance Performance Project Merry Zome」の上演活動を支援している。ARTISTIC MOVEMENT in TOYAMA(少人数による創作ダンスコンクール)においても、ゼミの学生たちが出場している。

 その他、非常勤講師として、日本大学「創作ダンス方法論」、淑徳文化専門学校「幼児体育」、お茶の水女子大学「生涯スポーツ(ダンス)」、日本女子体育大学「生涯ダンス論」「舞踊方法学実習(高齢者・障害者指導法)」、国立音楽大学「表現教育」等を担当。


【研究活動】
 これまで、特別支援教育および保育や子育て支援の現場におけるムーブメント教育・療法の実践研究を重ねる中で、特に、ダンスムーブメントや創造的活動について考察してきた。特に、発達障がい児の親子を対象とした取り組みを基軸として継続しながら、さらにインクルーシブな活動を目指し、ダンスや身体表現を軸としたより創造的で包括的なムーブメントプログラムの開発研究に努め、早期支援や家族支援、地域子育て支援における適用に関する理論研究や実践を行ってきた。それらをもとに、『発達障がい児の育成・支援とムーブメント教育』(2014,大修館書店)をまとめた。
 さらに 2015年度には博士論文をまとめ、ムーブメント教育・療法と身体表現活動を基盤に展開してきた独自の実践を「創造的身体表現遊び」と名づけ、その特徴、ねらいや構造を明らかにした。「創造的身体表現遊び」が「共に生きる場を共に創る」活動であることを論じ、その意義を確認し、「課題(プログラム)は一方的に与えるのではなく、機会として提供して共に創りながら体験する」という捉え方を示した。
 また、2011年 3月の東日本大震災以降は、被災地の子ども・子育て支援として、室内遊びのプログラム提供や支援者養成に取り組んできた。特に、原発事故影響下の子どもの発達と幸福感を育む室内遊びの開発と地域支援に関する研究実践は、2013年度より、科学研究費に採択され、研究分担者として、現地での実践研究に取り組んだ。
 さらに、科研費による研究では、2017年度より4年計画で、発達障がい児の就学支援に役立つ「創造的身体表現遊び」の実践研究に取り組んだ。2021年度からは、「創造的身体表現遊び」による舞台創作活動が発達障がい児の向社会的行動に及ぼす効果について調査研究を進めている。


【学外活動】
NPO法人日本ムーブメント教育・療法協会 常任専門指導員/国際ムーブメント教育・療法学術研究センター研究員/日本ダンス・セラピー協会理事/舞踊学会監事/日本体育学会会員(アダプテッド・スポーツ科学専門分科会会員/日本体育科教育学会会員)/日本女子体育連盟特別会員、編集委員/全国大学体育連合会員/日本特殊教育学会会員/日本児童学会会員/日本発達障害学会会員/日本保育学会会員/日本芸術療法学会

川崎市教育委員会主催家庭・地域学級講師・川崎市麻生区こども支援室主催子育て支援講座講師(2011)/公益社団法人発達協会研修セミナー講師(2014、2015)、平塚市平塚・中郡保育士会保育内容研究会研修会講師(2014)、静岡県浜松市葵西自治会女性部主催子育て支援研修会講師(2014)、川崎市川崎西部地域療育センター職員研修講師(2014)/認定NPO法人フローレンス 障害児保育園ヘレン職員研修講師(2014)/埼玉県女子体育連盟主催夏期実技研修会講師(2014)/千葉県立船橋古和釜高等学校総合学習講師(2015)/川崎市麻生区役所主催「地域子育て貢献事業就学前児童交流会講師(2017)/千葉県立小金高等学校 特別授業「共に生きる~身体表現活動を通して考える~」講師(2017)/独立行政法人国立病院機構 全国保育士協議会学習会講師(2018)/東京都江戸川区子ども家庭部保育課 育成室合同職員研修講師(2018~)/千葉県立泉高等学校 特別授業「コミュニケーションする身体」講師(2020)



【著作・論文(及び作品)】
著書
(共著)『発達障がい児の育成・支援とムーブメント教育』大修館書店(2014)
(共著)『障がいの重い児(者)が求めるムーブメントプログラム-MEPA-ⅡR の実施と活用の手引-』文教資料協会(2014)
(共著)「Movement Education and Therapy Program Assessment-ⅡRevised:MEPAⅡ-R 重症児(者)・重度重複障がい児のムーブメント教育・療法プログラム アセスメント」文教資料協会(2014)
(共著)『保育内容「表現」-からだで感じる・表す・伝える-』杏林書院(2016)
(単著)『発達障がい児を育む「創造的身体表現遊び」の実証的研究』多賀出版(2018)
(共著)『真正の「共生体育」をつくる』(2020)
(共著)『運動・遊び・学びを育てる ムーブメント教育プログラム100 幼児教育・保育、小学校体育、特別支援教育に向けて』大修館書店(2021)

論文等
(単著)「創造性教育としてのムーブメント教育の可能性--マリアンヌ・フロスティッグの理論より」児童研究(90)pp.22-30(2011)
(単著)「教具・遊具の工夫と開発:子どもの発達を支える遊具とその活用に向けて」体育科教育 5月号(大修館書店)pp.14-17(2014)
(単著)「The Effectiveness of Movement Education in Supporting Children with Developmental Disorders.」和光大学現代人間学部紀要 (7) pp.157-176(2014)
(共著)「大学と地域の連携を活かした遊びの場づくり-ムーブメント教育・療法の活用」和光大学総合文化研究所年報東西南北pp.204-216(2015)
(単著)「発達障がい児の身体運動能力の検討-空間関係把握能力検査とMSTB検査を指標として-」児童研究(94)pp.31-39(2015)
(単著)「発達障がい児を育む『創造的身体表現遊び』の実証的研究」お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科 平成27年度博士論文(2016)
(共著)「保育所における障害児やいわゆる『気になる子』等の受け入れ実態、障害児保育等のその支援の内容、居宅訪問型保育の利用実態に関する調査研究報告書」日本保育協会(2016)
(単著)「『創造的身体表現遊び』における自閉症スペクトラム障がい児の身体運動能力の検討」和光大学現代人間学部紀要 (9) pp.41-55(2016)
(単著)「「人間的全体験」としてのダンス~教養科目の授業における学生たちの「主体性」をめぐって~」日本女子体育連盟「女子体育」第59巻第4・5号pp.40-43(2017)
(単著)「インクルーシブ保育・教育に生かす身体表現遊び」日本幼稚園協会「幼児の教育」2017秋号 pp.59-62(2017)
(単著)「異なるもの同士が共に遊ぶことの意義と課題」和光大学現代人間学部紀要 (11) pp.91-106(2018)
(単著)「発達障がい児の学校適応を支えるダンスプログラムの実践」日本芸術療法学会誌50(1),pp.55-61(2019)
(単著)「共生・共創の舞台づくりを目指した身体表現遊び―不登校だった生徒の変容の視点から」体育科教育(大修館書店)9月号,pp.70-72(2019)
(単著)「インクルージョンの先にあるのもの ~Join the dance. 私たちの終わらないプロセスへ~」日本女子体育連盟「女子体育」 第62巻2‣3号 pp.4-5 (2020)
(単著)「特別支援のダンス 「共に生きる」を問う場としてのダンス発表会 : 放課後等デイサービスにおける実践から」日本女子体育連盟「女子体育」第62巻第6・7号 pp.34-39(2020)


【外部研究資金の獲得】
・財団法人子ども未来財団児童環境づくり等調査研究事業,「児童館におけるムーブメント法による子どもの育成プログラムの開発に関する調査研究」,代表:飯村敦子,分担者:小林芳文,協力者:大橋さつき他(2000)
・相模原・町田大学地域連携方策研究会モデルプロジェクト,「親子ムーブメント教室」,代表:大橋さつき(2004)
・財団法人倶進会一般助成,「障害児の発達支援に役立つダンスムーブメントアセスメントとステップガイドの開発」,代表:大橋さつき(2006)
・財団法人倶進会一般助成,「障害児の家族支援を目指したダンス・ムーブメントプログラムとそのアセスメントの開発」,代表:大橋さつき(2008)
・和光大学 総合文化研究所一般研究(甲),「子どもの育成支援を巡る遊びの環境づくりに関する実証的研究-大学と地域の連携による包括型プログラムの活用を中心に-」,研究代表者:小林芳文,共同研究者:大橋さつき他(2010-2011)
・科学研究費若手研究(B),「発達障害児をもつ親の幸福感を支える遊びのプログラムとアセスメントツールの開発」,代表:大橋さつき(2011-2013)
・科学研究費基盤研究(C)「原発事故影響下の子どもの発達と幸福感を育む室内遊びの開発と地域支援の実証的研究」,代表:小林芳文,分担者:大橋さつき(2013-2015)
・厚生労働省 子ども・子育て支援促進調査研究事業,「保育所における障害児やいわゆる『気になる子』等の受入れ実態,障害児保育等のその支援の内容,居宅訪問型保育の利用実態に関する調査研究」,社会福祉法人日本保育協会,主任研究員:小林芳文,研究員:飯村敦子・志水武史・小林保子・大橋さつき・竹内麗子(2015)
・和光大学地域連携研究センター社会連携研究プロジェクト,「共生・共創をめざした創造的身体表現遊びの実践-地域と大学の連携による子育て支援・障がい児支援の取り組みを土台に-」,研究代表:大橋さつき(2016-2017)
・科学研究費基盤研究(C)「発達障がい児の就学支援に役立つ身体表現遊びプログラムの開発」,代表:大橋さつき(2017-2020)
・科学研究費研究成果公開促進費(学術図書) 「発達障がい児を育む『「創造的身体表現遊び」の実証的研究』,代表:大橋さつき(2017)
・公益財団法人前川財団 家庭・地域教育助成「地域子育て支援における多世代交流型の身体表現遊びプログラム―高齢者ボランティアの参加に焦点をあてて―」,代表:大橋さつき(2019)
・公益財団法人前川財団 家庭・地域教育助成「『つながり』を保ち続けるための遊び活動―地域子育て支援施設を拠点に―」,代表:大橋さつき(2020)
・科学研究費基盤研究(C)「『創造的身体表現遊び』による舞台創作活動が発達障がい児の向社会的行動に及ぼす効果」,代表:大橋さつき(2021-2023)
・科学研究費基盤研究(C)「共生の視点を重視した体育科の『評価の三角形』に関する実証的研究」,代表:梅澤秋久,分担者:村瀬浩二,大橋さつき(2021-2023)
・社会福祉法人日本保育協会 令和5年度保育科学研究「保育所による子育て支援の強みに関する研究-つながりづくりを目指したムーブメント遊びの実践を通して‐」,代表:大橋さつき(2023)



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