和光につどう教師たちのプロフィール

ホーム > 現代人間学部 人間科学科 所属教員一覧 > 教員プロフィール

教員プロフィール


現代人間学部 人間科学科/講師

打越 正行 ウチコシ マサユキ

研究分野…社会学、沖縄、参与観察
最終学歴…首都大学東京 人文科学研究科
学位…博士(社会学)

個人ウェブサイト
和光3分大学

(最終更新日:2021-04-21)

【教育活動】
・2020年4月、和光大学現代人間学部現代社会学科に専任講師として着任

和光大学で担当する講義は以下の通りです。
■「質的調査法の基礎」
 生活史インタビュー、フィールドワーク、参与観察といった質的調査法について学びます。レポートは、実際に質的調査法を使ってインタビューをしてもらいます。

学生によるレポートの対象者の例:
大学の清掃員のおじさん、ヤンキーになった同級生、お笑い芸人、シングルマザー、沖縄で長男の嫁になった母親、沖縄戦を生き抜いた祖父、南大東島のサトウキビ農家、漁師になった幼馴染、みかん農家、離島の若者など

■「フィールドワークを学ぶ/で学ぶ」
 夏季休暇中に1週間ほど沖縄へフィールドワークに行きます。詳細は参加者の要望を聞いてから決めます(例:エイサー青年団、パイン農家、離島の子どもたちなど)。沖縄で日々起こっていること、そこに生きている人たちの生活や人生についてしっかり調べて、真剣に考える講義にしたいです。

■「現代社会学演習3(ゼミ)」
 人間の行動や言葉には、そのひとなりの理由があります。それについて、実際に自分で調べてわかるように話す、書くことをていねいに行うゼミにします。

ゼミテーマは、「むかつくことについて、共有し、調べて、考える」とします。
 「むかつき」を心のなかで感じたり、つぶやくことはあるけれど、なかなか他人に伝えることは難しいかもしれません。ただそのまま放置していると、いつの間にかしんどいのは自分のせいだと自身を責め始めたり、立場の異なる人びとに攻撃的になったり、限界を超えると爆発してしまうかもしれません。
 ゼミでは、そのどれでもなく、しんどいことをみんなで共有します。その次に、そのむかつきを克服するのではなく、むかつきの原因について調べて、細かくていねいに人や仕組みのせいにして、むかつきから解放されることを目指します。そのために、誰かに話を聞きに行ったり、どこかで活動に参加することをすすめます。

■「教育実践論」
 教員免許取得希望者向けの講義です。子どもをひとりの人間として尊重し、子どもの生活や言動をていねいに観察すること。その観察をもとに「おもしろく」、「わかる」授業をつくる力を身につけることを目指します。

この他に、「貧困の社会学B」、「現代世界入門A」、「プロゼミ」などの講義を担当します。

これまでに担当したことのある講義/授業は以下の通りです。

・「日本語」(日本語学院(大韓民国 平澤市))
・「数学」(呉港高、府中中、呉昭和高、吉浦中、東風平中)
・「英語」(伊江中)
・「国語」(大宮中)
・「文化人類学」「教養科目(社会学のものの見方・考え方)」「文化社会学A/B」「カルチュラル・スタディーズA/B」(広島修道大)
・「社会学」(専門学校 福山歯科衛生士学校、広島市立大)
・「社会学研究」(琉球大)
・「現代社会学」(愛知県立大)
・「教育学原論/特論」(琉球大)



【研究活動】
 私の研究テーマの柱は沖縄です。沖縄について研究する際の枠組みが社会学で、方法が参与観察です。
 学者の端くれとして、自身の立場性を自覚すること、そして自身に都合の悪いことを直視することは外せないことだと考えています。



【学外活動】
特定非営利活動法人 社会理論・動態研究所 研究員
沖縄国際大学 南島文化研究所 特別研究員
日本教育社会学会 会員



【著作・論文(及び作品)】
学位取得論文
■打越正行,2005年,『〈暴走族〉をめぐる統制と抵抗』広島国際学院大学現代社会学研究科2004年度修士論文(社会学修士).

■打越正行,2016年,『沖縄の下層若者と〈地元〉の社会学――下層労働の再生産と下層若者文化の再編』首都大学東京大学院人文科学研究科提出博士論文(社会学博士).

単著
■打越正行,2019年,『ヤンキーと地元――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち』筑摩書房.

共著
■打越正行,2014年,「沖縄的共同体の外部に生きる――ヤンキー若者たちの生活世界」谷富夫・安藤由美・野入直美編著『持続と変容の沖縄社会――沖縄的なるものの現在』ミネルヴァ書房,108-131.

■打越正行,2016年,「暴走族のパシリになる――『分厚い記述』から『隙のある調査者による記述』へ」木下衆・朴沙羅・前田拓也・秋谷直矩編著『最強の社会調査入門』ナカニシヤ出版,86-99.

■打越正行,2017年,「沖縄の建築業で働く若者――しーじゃ・うっとぅ関係と暴力」沖縄県子ども総合研究所編(加藤彰彦・上間陽子・鎌田佐多子・金城隆一・小田切忠人)『沖縄子どもの貧困白書』かもがわ出版,169-174.

■打越正行,2018年,「パチプロから公務員へ――ある大学生の職業選択」「那覇への船旅――ひと晩限りの話をきく」有田亘・松井広志編著『いろいろあるコミュニケーションの社会学』北樹出版,96-99, 108-111.

■打越正行,2018年,「接待する建設業者/口説き落とすヤミ業者――沖縄のヤンキーの若者と地元・仕事・キャバクラ」川端浩平・安藤丈将編著『サイレント・マジョリティとは誰か――フィールドから学ぶ地域社会学』ナカニシヤ出版,63-86.

■打越正行,2019年,「ライフコースからの排除――沖縄のヤンキー、建設業の男性と暴力」『現代思想(引退・卒業・定年)』青土社, 89-97.

■打越正行,2020年(校正中),「排除Ⅰ――不安定層の男たち」岸政彦・打越正行・上原健太郎・上間陽子編『地元を生きる』ナカニシヤ出版.

論文
■打越正行,2008年,「裁判で敗訴した〈暴走族〉/裁判を流用した〈暴走族〉――走れない〈暴走族〉の排除と抵抗」広島国際学院大学現代社会学研究科編『現代社会学』9: 25-40.

■打越正行,2008年,「仕事ないし、沖縄嫌い、人も嫌い――沖縄のヤンキーの共同性とネオリベラリズム」社会理論・動態研究所編『理論と動態』1: 21-38.

■打越正行,2009年,「植民地沖縄におけるネオリベラリズムと反抗――ヤンキー・サブカルチャーズ研究序説」広島部落解放研究所編『部落解放研究』15: 73-90.

■打越正行,2010年,「〈地元〉の不変性とダイナミズム――〈地元〉周縁に生きる沖縄の下層若者から」社会理論・動態研究所編『理論と動態』3: 19-37.

■打越正行,2011年,「暴走族をめぐる排除の論理――ゼロトレランス政策は、いかに広島市の暴走族排除に適用されたのか」広島部落解放研究所編『部落解放研究』17: 33-50.

■打越正行,2011年,「型枠解体屋の民族誌――建築現場における機械的連帯の意義」関西学院大学大学院社会学研究科大学院GP編『社会学批評』別冊: 21-44.

■打越正行,2011年,「沖縄の暴走族の文化継承過程と〈地元〉――パシリとしての参与観察から」首都大学東京・都立大学社会学研究会編『社会学論考』32: 55-81.

■打越正行,2012年,「オキナワン・ヤンキー・サブカルチャーズ――〈日本〉と沖縄の暴走族の組織原理に注目して」社会理論・動態研究所編『理論と動態』5: 112-127.

■後藤俊文・打越正行・吉田舞,2013年,「書評論文 Goodwin, Jeff and Ruth Horowitz, 2002, “Introduction: The Methodological Strengths and Dilemmas of Qualitative Sociology”, Qualitative Sociology, 25(1)――質的調査法をめぐる諸論点」広島国際学院大学現代社会学研究科編『現代社会学』14: 33-43.

■打越正行,2013年,「建築業から風俗営業へ――沖縄のある若者の生活史と〈地元〉つながり」日本解放社会学会編『解放社会学研究』26: 35-58.

■打越正行,2013年,「沖縄的共同体の外部」龍谷大学人権問題研究委員会編『沖縄における階層格差と人権 中間報告書(研究代表:岸政彦/共同研究者:青木恵理子,打越正行,上原健太郎)』15-34.

■宮内洋・松宮朝・新藤慶・石岡丈昇・打越正行,2014年,「新たな貧困調査の構想のために――日本国内の貧困研究の再検討から」『愛知県立大学教育福祉学部論集』62: 123-135.

■宮内洋・松宮朝・新藤慶・石岡丈昇・打越正行,2014年,「貧困調査のクリティーク(1)――『豊かさの底辺に生きる』再考」『北海道大学大学院教育学研究紀要』120: 199-230.

■宮内洋・松宮朝・新藤慶・石岡丈昇・打越正行,2015年,「貧困調査のクリティーク(2)――『排除する社会・排除に抗する学校』から考える」『北海道大学大学院教育学研究院紀要』122: 49-91.

■打越正行,2015年,「暴力を飼い慣らす――沖縄の下層若者の生活実践から」『生活指導研究』32: 13-23.

■打越正行,2018年,「つくられたしーじゃ・うっとぅ関係――沖縄建設業の戦後史」広島部落解放研究所編『部落解放研究』24: 47-67.

■宮内洋・松宮朝・新藤慶・石岡丈昇・打越正行,2018年,「貧困調査のクリティーク(3)――『まなざしの地獄』再考」『北海道大学大学院教育学研究院紀要』131号,33-54.

■打越正行,2018年,「夜から昼にうつる――ライフステージの移行にともなうつながりの分化と家族像」東海社会学会編『東海社会学会年報』10: 85-96.

口頭発表
■打越正行,2004年,『〈暴走族〉をめぐる統制と抵抗』第77回日本社会学会(熊本大学).

■打越正行,2009年,『沖縄の暴走族とヤンキーの意味世界』「東アジアのストリートの現在」研究班主催公開シンポジウム(関西学院大学).

■打越正行,2010年,『沖縄の下層若者文化と〈地元〉概念』第83回日本社会学会(名古屋大学).

■打越正行,2011年,『沖縄の下層若者の労働世界――地元つながりと包摂・拘束・断絶』第27回日本解放社会学会テーマ部会(弘前大学).

■打越正行,2011年,『沖縄の暴走族少年たちの生きる地元――シゴキを通じた暗黙の定員制にみる排除と包摂の論理』先端社会研究所「セキュリティ/排除」プロジェクト第5回研究会(関西学院大学).

■打越正行,2012年,『沖縄のヤンキー若者の就労世界――〈地元〉に着目して』沖縄の青年の生きるかたちから学ぶシンポジウム(沖縄大学).

■打越正行,2012年,『出稼ぎ・〈キセツ〉・違法就労――グローバリゼーションとコミュニティの依存関係』第85回日本社会学会若手企画テーマ部会(札幌学院大学).

■打越正行・上間陽子,2013年,『キャバ嬢になること――沖縄<夜シゴト>で働く女性たち』第65回日本教育社会学会(埼玉大学).

■打越正行,2013年,『沖縄的共同性と階層(1)──排除されるヤンキーの若者たち』第86回日本社会学会(慶応義塾大学)

■打越正行,2014年,「暴力を統制する――沖縄の下層若者の生活実践から」第32回日本生活指導学会(沖縄大学).

■打越正行,2016年,「沖縄的共同性の外部に生きる若者たち――暴力の日常と時間/空間感覚」第23回子ども社会学会(琉球大学).

■打越正行,2017年,「夜から昼に移る――ライフステージの移行にともなうつながりの分化と家族像」第10回東海社会学会シンポジウム「若者・子どもの貧困を問い直す――この10年で何が継続し、何が変わったのか?」(名古屋大学).

■打越正行,2019年,「外部における文化的再生産――沖縄のヤンキーの若者の空間感覚をもとに」〈生活-文脈〉理解研究会シンポジウム(東海社会学会共催)『ヤンキーと教育――〈生活-文脈〉から考える』(愛知県立大学).

■打越正行,2019年,「しーじゃ・うっとぅ関係と建設業――沖縄のヤンキーの若者たちへの参与観察から」沖縄国際大学南島文化研究所市民講座/2019年度協定校間国際学術交流講演会『沖縄と韓国の若者文化』(沖縄国際大学).

■打越正行,2019年,「地元から建設現場へ―沖縄のヤンキーの若者の移行過程」社会分析学会シンポジウム『若者の移行過程――沖縄から、公営団地から』(鹿児島女子短期大学).

その他(研究ノート、書評、web記事など)
■打越正行・上間陽子,2012年,「沖縄地方におけるジェンダー格差」日本子どもを守る会編『子ども白書2012』草土文化,159-160.

■打越正行,2016年,「動く人(第8回)――暴走族のパシリになる」『atプラス――思想と活動』29: 110-127,太田出版.

■打越正行,2013年,「スマホで広がる違法就労――10代 闇のネットワーク」『クローズアップ現代No.3391』NHK(http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3391_all.html, 2013. 8. 23放映).

■打越正行(聞き手・構成:芹沢一也),2017年,「なぜ沖縄の若者たちは、地元と暴力から抜け出せないのか?」『シノドス』(http://synodos.jp/society/19337, 2017.3.21).

■打越正行,2017年,「沖縄で『暴走族のパシリ』になる――調べる社会と調べ方の出会い」『現代ビジネス』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52067, 2017.6.27)

■打越正行,2017年,「『裸足で逃げる』の生活史調査で大切にしたこと――沖縄の女の子たちが語り出すまで」『現代ビジネス』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52930, 2017.9.30).

■打越正行,2017年,「沖縄『チビチリガマ荒らし事件』とは何だったのか?――建築業の現在から見えてくること」『現代ビジネス』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53299, 2017.10.27).

■打越正行,2017年,「なぜ沖縄の貧困率は高いのか?――建設業の歴史からひもとく」『現代ビジネス』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53826, 2017.12.23)

■打越正行,2018年,「生きつづける沖縄の『アムラー』」『STUDIO VOICE』INFASパブリケーションズ,412: 157(全200ページ).

■打越正行,2018年,「10代で妊娠するということ――沖縄のヤンキー少女たちへの聞き取り調査から」沖縄生活指導研究会編『民主的な子を育てるために』22: 38-44.

■打越正行,2018年,「『先生かどうかわからない人』が教えてくれた他者への想像力の磨き方――いまも忘れられない大学の講義」『現代ビジネス』(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58702,2018.12.13).



【外部研究資金の獲得】
■上間陽子,2012-2014年,「沖縄地方のリスク層の若者の移行状況に関する聞き取り調査」科学研究費若手研究B(研究課題番号:24730660,研究機関:琉球大学,研究代表者:上間陽子).

■岸政彦・青木恵理子・打越正行・上原健太郎,2012-2014年,「沖縄における階層格差と人権」龍谷大学人権問題研究委員会 研究プロジェクト(研究機関:龍谷大学,研究代表者:岸政彦).

■宮内洋・松宮朝・新藤慶・石岡丈昇・打越正行,2013-2015年,「生涯発達から見る〈貧困化〉のプロセス――参与観察に基づくボトムアップ的貧困研究」科学研究費挑戦的萌芽研究(研究課題番号:25590128,研究機関:高崎健康福祉大学,研究代表者:宮内洋).

■笠井賢紀・岩佐奈々子・打越正行・鴫原敦子・栗田健一・内尾太一・原めぐみ,2013-2015年,「物語を基にしたコミュニティづくりの方法論」(研究機関:京都大学地域研究統合情報センター,研究代表者:笠井賢紀)

■打越正行,2014-2017年,「沖縄の暴走族・ヤンキー若者たち、その後――5年にわたる参与観察と生活史調査から」科学研究費若手研究B(研究課題番号:26780300,研究機関:特定非営利活動法人 社会理論・動態研究所,研究代表者:打越正行).

■上間陽子・仲嶺政光・望月道浩・芳澤拓也・辻雄二・長谷川裕・打越正行,2014-2016年,「沖縄における貧困と教育の総合的調査研究」科学研究費基盤研究C(研究課題番号:26381136,研究機関:琉球大学,研究代表者:上間陽子).

■宮内洋・松宮朝・新藤慶・打越正行,2018-2020年,「未来の剥奪:貧困の〈生活-文脈〉の縦断的理解を通じて」科学研究費基盤研究(C)(研究課題番号:18K02066,研究機関:群馬県立女子大学,研究代表者:宮内洋).



【受賞歴】
第6回沖縄書店大賞(沖縄部門)『ヤンキーと地元』


トップへ戻る